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2026年6月 中間テスト
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漢文 — 模擬試験管理
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# 古典探究 漢文 模擬試験(問題) 令和8年度 前期中間考査 模擬試験 制限時間:20分 満点:60点(漢文のみ) 組( )番 氏名( ) 【注意】選択問題は記号で、記述問題は解答欄に句読点を含めて答えること。 --- ## 【一】次の文章を読み、後の問いに答えよ。(30点) 出典:『後漢書』宋弘伝 ※光武帝が、未亡人となった姉の湖陽公主の再婚相手として臣下の宋弘を望んだ場面である。 > 時、帝ノ姉湖陽公主新タニ寡ト為ル。帝、与ニ朝臣ヲ論ジ、微カニ其ノ意ヲ観ル。 > 主曰ハク、「宋公ノ威容徳器ハ、群臣及ブ莫シ。」ト。帝曰ハク、「方ニ且ニ之ヲ図ラント。」ト。 > 後、①弘引見セラル。帝、②主ヲシテ屏風ノ後ロニ坐セシメ、因リテ弘ニ謂ヒテ曰ハク、 > 「諺ニ言フ、貴クシテ交ハリヲ易ヘ、富ミテ妻ヲ易フ、人情カ。」ト。 > 弘曰ハク、「臣聞ク、貧賤ノ交ハリハ忘ル可カラズ、③糟糠ノ妻ハ堂ヨリ下サズ、ト。」 > 帝、主ヲ顧ミテ謂ヒテ曰ハク、「④事諧ハザルナリ。」ト。 **語注** *湖陽公主…光武帝の姉。*宋公…宋弘のこと。時の大司空(大臣)。*威容徳器…威厳ある姿と徳。*糟糠…酒かすと米ぬか。転じて粗末な食事、貧しい生活。 **問1**(知識・技能) 傍線部①「弘引見セラル」の「セラル」と文法的に同じ働きをしているものを、次から一つ選び、記号で答えよ。(4点) ア 食はれる(受身) イ 書かれる(受身) ウ 行かれる(尊敬) エ 思われる(自発) 解答欄:______________________________ **問2**(知識・技能) 傍線部②「主ヲシテ屏風ノ後ロニ坐セシメ」を、書き下し文(現代仮名遣い)に改めよ。(6点) 解答欄:______________________________ **問3**(思考・判断・表現) 傍線部③「糟糠ノ妻ハ堂ヨリ下サズ」とは、どのような考え方を述べたものか。25字以内で説明せよ。(8点) 解答欄:______________________________ ______________________________ **問4**(思考・判断・表現) 傍線部④「事諧ハザルナリ」について、「事」の指す内容を明らかにしながら、現代語訳せよ。(6点) 解答欄:______________________________ ______________________________ **問5**(思考・判断・表現) 本文における宋弘の人物像として最も適切なものを、次から一つ選び、記号で答えよ。(6点) ア 出世のためなら妻を捨てることも辞さない打算的な人物 イ 貧しい時代の恩義を大切にし、節義を重んじる人物 ウ 皇帝の意向に逆らえず、やむなく従う優柔不断な人物 エ 権威や富貴に強い憧れを抱く野心的な人物 解答欄:______________________________ --- ## 【二】次の文章を読み、後の問いに答えよ。(30点) 出典:劉基『郁離子』 ※職人の工之僑が、優れた琴を作った後の出来事を描いた寓話である。 > 工之僑、良桐ヲ得タリ。斲リテ琴ト為シ、弦シテ之ヲ鼓ケバ、金声シテ玉応ズ。 > 自ラ以ヘラク天下ノ美ナリト。①之ヲ太常ニ献ズ。国工ヲシテ之ヲ視シムルニ、曰ハク、 > 「古カラズ。」ト。之ヲ還ス。諸ヲ漆工ニ謀リ、断紋ヲ作ラシメ、又諸ヲ篆工ニ謀リ、古窾ヲ作ラシム。 > ②匣ニシテ諸ヲ土ニ埋メ、期年ニシテ之ヲ出シ、抱キテ以テ市ニ適ク。 > 貴人過ギテ之ヲ見、之ヲ易フルニ百金ヲ以テシ、諸ヲ朝ニ献ズ。楽官伝ヘ視テ、皆曰ハク、 > 「希世ノ珍ナリ。」ト。工之僑之ヲ聞キ、③嘆ジテ曰ハク、「悲シイカナ、世ヤ。④豈ニ独リ一琴ノミナランヤ。 > 然ラズンバアラズ。」ト。而シテ早ク之ヲ図ラズンバ、其レ亡ブルニ与ニセントス。遂ニ去ル。 **語注** *工之僑…人名。楽器職人。*太常…祭祀・礼楽を司る役人。*国工…国の中で最も権威のある職人。*断紋・古窾…年月を経た古い器物に見えるようにつける古めかしい文様・文字。 **問1**(知識・技能) 傍線部①「之ヲ太常ニ献ズ」について、「之」が指す内容を本文中から漢字二字で抜き出せ。(4点) 解答欄:______________________________ **問2**(知識・技能) 傍線部②「匣ニシテ諸ヲ土ニ埋メ」とあるが、工之僑がこのような行為をしたのはなぜか。20字以内で説明せよ。(6点) 解答欄:______________________________ ______________________________ **問3**(思考・判断・表現) 傍線部③「嘆ジテ曰ハク、『悲シイカナ、世ヤ。』」について、工之僑が嘆いた理由を40字以内で説明せよ。(10点) 解答欄:______________________________ ______________________________ ______________________________ **問4**(知識・技能) 傍線部④「豈ニ独リ一琴ノミナランヤ」の句法上の特徴として正しいものを、次から一つ選び、記号で答えよ。(4点) ア 使役 イ 受身 ウ 反語 エ 仮定 解答欄:______________________________ **問5**(思考・判断・表現) この文章全体が批判している対象として最も適切なものを、次から一つ選び、記号で答えよ。(6点) ア 琴という楽器そのものの価値の低さ イ 見せかけの古さや権威だけで物の真価を判断する当時の風潮 ウ 工之僑の職人としての技術不足 エ 太常や国工の個人的な無知 解答欄:______________________________
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# 古典探究 漢文 模擬試験(解答・解説) 令和8年度 前期中間考査 模擬試験 --- ## 【一】『後漢書』宋弘伝「糟糠之妻」(30点) **問1 【正解】ア(受身)**(4点) 解説:「セラル」は受身の助動詞「る・らる」の連用形+終止形にあたる形。「弘引見セラル」=「弘が(帝に)引見される」で受身。アの「食はれる」も受身。イは受身、ウ・エと迷うが、ウは尊敬、エは自発であり、文法的働きが同じなのは受身の用法。 【覚えるポイント】使役「しむ」・受身「る/らる」の識別は文脈から主語が動作を「する」側か「される」側かで判断する。 **問2 【正解】主をして屏風の後ろに坐せしめ**(6点) 解説:「令」+「A」+「V」=「AをしてVしむ」という使役の句法。「令二主一坐二屏風後一」→「主をして屏風の後ろに坐せしめ」となる。「せしめ」は「す(サ変)」の未然形+使役の助動詞「しむ」の連用形。 【覚えるポイント】使役句法「令(使・教・遣)A~」=「AをしてVしむ」。 **問3 【正解】貧しかった頃を共に支えてくれた妻を、出世後も見捨ててはならないという考え方。**(36字程度で可)(8点) 解説:「糟糠之妻」は貧しい生活を共に耐えてきた妻を指す故事成語。「堂より下さず(=家から離縁して追い出さない)」から、恩義や節義を貫き、貧しい時代の妻を大切にし続けるべきだという道徳観が読み取れる。 【覚えるポイント】故事成語「糟糠の妻」=貧しい時代を共に苦労した妻。出世しても見捨てるべきではないという意味で現代でも使われる。 **問4 【正解】(宋弘を姉の再婚相手にしようとした)この縁談は、うまくまとまらないということだ。**(6点) 解説:「事」は直前の帝と宋弘のやり取り、すなわち湖陽公主と宋弘との再婚話を指す。宋弘が「貧賤の交はりは忘る可からず、糟糠の妻は堂より下さず」と述べ、既に妻がいることを理由に婉曲に固辞したため、帝はこの縁談が成立しないと悟った。 【覚えるポイント】指示語「事」「之」などは直前の文脈(ここでは縁談の話)を必ず具体化して訳す。 **問5 【正解】イ**(6点) 解説:宋弘は「貧賤の交はりは忘る可からず、糟糠の妻は堂より下さず」と述べ、皇帝の姉との再婚という栄達の機会を退けてでも、貧しい時代を共にした妻との道義を貫いた。よってイが適切。アは本文と逆の内容。ウは「やむなく従う」が誤り、宋弘は自らの意志で固辞している。エも本文の趣旨に反する。 【覚えるポイント】人物像を問う設問は、傍線部や会話文中の具体的な言動から根拠を拾って判断する。 --- ## 【二】劉基『郁離子』「工之僑得良桐」(30点) **問1 【正解】琴**(4点) 解説:「之」は代名詞で、直前の文脈にある事物を指す。工之僑が「斲リテ琴ト為シ」た琴を「天下ノ美ナリ」と自負し、それを太常(祭祀・礼楽を司る役人)に献上した、という文脈なので「之」は「琴」を指す。 【覚えるポイント】指示語「之」は直前の名詞(多くは目的語)を指すことが多い。文脈から具体的な語を特定する。 **問2 【正解】琴を古い名器に見せかけるため。**(15字程度で可)(6点) 解説:国工に「古カラズ(=古びていない)」という理由だけで名器と認められなかったため、工之僑は漆工・篆工に依頼して古めかしい文様や文字(断紋・古窾)を作らせ、さらに土中に埋めて年月を経たように見せかけた。これは琴を「古い名器」に偽装するための行為である。 【覚えるポイント】行動の理由を問う設問は、直前・直後の文脈(ここでは「古カラズ」という評価)から動機を読み取る。 **問3 【正解】本物の名器が「古くない」という理由だけで評価されず、古びて見せかけた途端に絶賛された、うわべだけで真価を判断する世の風潮を悲しんだから。**(65字程度で可)(10点) 解説:工之僑の琴は本来優れた名器であったにもかかわらず、国工に「古カラズ」の一言で退けられた。ところが古めかしい細工を施して土に埋め、年月を経たように見せかけただけで「希世の珍」と絶賛された。この落差から、物の本質ではなく見せかけの古さ・権威だけで価値を判断する世の中のあり方を工之僑は嘆いている。 【覚えるポイント】寓話(故事)の主題は、登場人物の言動と、それが起きた具体的な出来事(ここでは評価の逆転)とを結びつけて読み取る。 **問4 【正解】ウ(反語)**(4点) 解説:「豈ニ~ンヤ」は反語の句法で「どうして~だろうか、いや~ない」の意。ここでは「豈ニ独リ一琴ノミナランヤ」=「どうして琴一つだけのことであろうか、いや琴だけではない(世の中すべてが同じだ)」という強い否定・強調を表す。 【覚えるポイント】反語句法「豈~哉(乎・邪)」=「どうして~か、いや~ない」。「ノミ」は限定を表す語。 **問5 【正解】イ**(6点) 解説:工之僑の嘆きは、琴という一つの事物にとどまらず、「豈ニ独リ一琴ノミナランヤ」(琴だけではない)と述べていることから、世の中全体が見せかけの古さや権威だけで物事の真価を判断する風潮にあることへの批判だと分かる。よってイが適切。ア・ウ・エはいずれも本文の主旨(社会批判)とはずれる。 【覚えるポイント】文章全体の主題を問う設問では、局所的な出来事だけでなく、登場人物の感想・評言(嘆き・意見)に着目する。 --- ※本解答例は記述解答の一例です。趣旨が同じであれば同等の点数を与えてください。
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