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2026年9月 中間テスト
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# 古文 模擬試験 ── 『枕草子』第九十八段「中納言参りたまひて」 年 組 番 氏名( ) 得点 / 60 ## 【一】次の文章を読んで、後の問いに答えよ。(傍線部①〜⑬) 中納言**参り①**たまひて、御扇奉らせたまふに、「隆家こそ**いみじき②**骨は得て**はべれ③**。それを張らせて参ら**せむ④**とするに、**おぼろけ⑤**の紙はえ張るまじければ、求めはべるなり。」と申したまふ。「**いかやうにかある⑥**。」と問ひきこえさせたまへば、「すべていみじうはべり。『さらにまだ**見ぬ⑦**骨のさまなり。』と、人々申す。まことにかばかりのは見えざりつ。」と、言高く**のたまへ⑧**ば、「さては、扇のにはあらで、**くらげのななり⑨**。」と聞こゆれば、「**これは隆家が言にしてむ⑩**。」とて、笑ひたまふ。 かやうのことこそは、**かたはらいたき⑪**ことのうちに**入れつべけれ⑫**ど、「**一つな落としそ⑬**。」と言へば、いかがはせむ。 **(語注)** 中納言…藤原隆家。中宮定子の弟。/御扇の骨…扇の骨。/隆家…中納言が自分自身を指して言った名。/くらげ…海にすむ、骨のない生き物。/一つな落としそ…(この面白い話を)一つも書き落とすな。 ### 《知識・技能》(36点) **問一** 傍線部②「いみじ」・⑤「おぼろけ」・⑪「かたはらいたし」の、本文中での意味をそれぞれ答えよ。(各3点) **問二** 次の傍線部の助動詞を文法的に説明せよ(名称と意味)。(各3点) ④「せむ」の「む」/⑦「見ぬ」の「ぬ」/⑫「入れつべけれ」の「つべし」 **問三** 傍線部①「参り」・③「はべり」の敬語の種類(尊敬・謙譲・丁寧)をそれぞれ答えよ。また、①「参り」は誰から誰への敬意か答えよ。(各2点・計6点) **問四** 傍線部⑧「のたまふ」の敬語の種類を答えよ。(2点) **問五** 傍線部⑨「ななり」は、もとの形が変化したものである。もとの形を答え、どのような音変化が起きているかを説明せよ。(4点) **問六** 【文学史】この文章の出典名・作者名・文学形態(ジャンル)をそれぞれ答えよ。(各2点・計6点) ### 《思考・判断・表現》(24点) **問七** 傍線部⑥「いかやうにかある」を現代語訳せよ。(4点) **問八** 傍線部⑨「くらげのななり」と清少納言が言ったのはなぜか。隆家の発言をふまえて、四十字以内で説明せよ。(6点) **問九** 傍線部⑩「これは隆家が言にしてむ」とは、隆家が何をどうしようというのか。わかりやすく説明せよ。(4点) **問十** 傍線部⑬「一つな落としそ」と言われて、筆者は「いかがはせむ」と述べている。ここから読み取れる筆者の気持ちを説明せよ。(4点) **問十一** 中納言(隆家)と清少納言のやりとりの「おもしろさ」は、どのような点にあるか。説明せよ。(6点)
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# 解答・解説 ── 古文 模擬試験「中納言参りたまひて」(60点満点) ## 【一】 ### 《知識・技能》(36点) **問一(各3点・計9点)** - 【解答】②いみじ=すばらしい ⑤おぼろけ=並一通りだ・普通だ ⑪かたはらいたし=きまりが悪い・気恥ずかしい - 【解説】「いみじ」は程度がはなはだしい意で、ここは「すばらしい」。「おぼろけの紙」は「普通の紙」。「かたはらいたし」はそばで見ていていたたまれない気持ち。 - 【覚えるポイント】いみじ=良い・悪い両方向/おぼろけ=並一通り/かたはらいたし=気恥ずかしい。 **問二(各3点・計9点)** - 【解答】④意志の助動詞「む」=〜しよう ⑦打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」(下に体言「骨」が続く) ⑫完了(強意)「つ」+推量「べし」=きっと〜(〜てよい) - 【解説】「参らせむとす」の「む」は意志。「見ぬ骨」の「ぬ」は下に体言が続くので打消「ず」連体形(完了「ぬ」なら終止形)。「つべし」は強意の「つ」+「べし」。 - 【覚えるポイント】む=意志/体言の上の「ぬ」=打消連体形/つべし=つ+べし。 **問三(各2点・計6点)** - 【解答】①「参り」=謙譲語/③「はべり」=丁寧語。①「参り」は作者(清少納言)から中宮定子への敬意。 - 【解説】「参る」は参上する先(定子)を高める謙譲語。会話中の「はべり」は聞き手への丁寧語。①は地の文なので敬意の主体は作者。 - 【覚えるポイント】謙譲=動作の受け手へ/丁寧=聞き手へ。地の文は作者からの敬意。 **問四(2点)** - 【解答】尊敬語 - 【解説】「のたまふ」は「言ふ」の尊敬語「おっしゃる」。声高く言う隆家を高めている。 - 【覚えるポイント】のたまふ=「言ふ」の尊敬。 **問五(4点)** - 【解答】もとの形…「なるなり」。音変化…「なるなり」が撥音便化して「なんなり」となり、その「ん」が表記されない形が「ななり」。 - 【解説】断定・存在の「なり」の連体形「なる」に推定の「なり」が付いた「なるなり」が、撥音便+無表記で「ななり」となった。「くらげの(骨)であるようだ」の意。 - 【覚えるポイント】ななり←なんなり←なるなり(撥音便の無表記)。 **問六(各2点・計6点)** - 【解答】出典…『枕草子』/作者…清少納言/文学形態…随筆 - 【解説】『枕草子』は平安時代中期成立の随筆で、日本三大随筆の一つ。作者清少納言は一条天皇の中宮定子に出仕した(=本文の「中宮」も定子)。 - 【覚えるポイント】枕草子=清少納言・随筆。仕えた中宮は一条天皇中宮定子。 ### 《思考・判断・表現》(24点) **問七(4点)** - 【解答】(その骨は)どのようであるのか。 - 【解説】「いかやうに」=どのように、「か〜ある」は係り結び(か→連体形「ある」)で疑問。定子が骨の様子を尋ねる場面。 - 【覚えるポイント】いかやうに=どのように/か…連体形=疑問。 **問八(6点)** - 【解答】(解答例)隆家が誰も見たことのない骨だと自慢したので、それなら骨のないくらげの骨だろうと切り返したから。(39字) - 【解説】隆家の「まだ見ぬ骨」という自慢を逆手に取り、「見たことのない骨=存在しない骨=骨のないくらげの骨」と機知で応じた。字数・因果(隆家の発言→切り返し)が採点の要点。 - 【覚えるポイント】「見ぬ骨」→骨のないくらげ、という当意即妙。 **問九(4点)** - 【解答】(解答例)清少納言の気の利いた言葉を、自分(隆家)が言ったことにしてしまおう、ということ。 - 【解説】「が」は連体の「の」、「してむ」は「きっと〜しよう」。感心した隆家が、その名言を自分の手柄にしようと笑って言った。 - 【覚えるポイント】〜が言にす=〜が言ったことにする。 **問十(4点)** - 【解答】(解答例)自慢話のようで気恥ずかしいが、「一つも書き落とすな」と言われては、書かないわけにはいかない、という気持ち。 - 【解説】「な〜そ」=禁止、「いかがはせむ」=どうしようもない。かたはらいたい(気恥ずかしい)と思いつつも書き残した、という結び。 - 【覚えるポイント】な〜そ=禁止/いかがはせむ=どうしようもない。 **問十一(6点)** - 【解答】(解答例)隆家の「見たこともない骨」という大げさな自慢を、清少納言が「それなら骨のないくらげの骨でしょう」と即座に機転で切り返し、隆家自身もそれに感心して自分の言葉にしようと笑った、その当意即妙のやりとりのおもしろさ。 - 【解説】会話の応酬の機知(言葉遊び)と、切り返された隆家がむしろ感心して受け入れる度量の大きさ、その両方に着目できているとよい。 - 【覚えるポイント】機知の応酬+隆家の反応(感心して受け入れる)。
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